Nash_Keiss’s diary

無職の虚無ブログ。自称小説家

MR.ROBOT

 きみはMR.ROBOTを知っているだろう
 きみがインターネットの民なら、Twitterで、5chで、ブログで見たことがあるはずだ
 この画像を

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 こいつはネタ画像だが、ネタ画像も時には役に立つ
 ぼくをMR.ROBOTという作品に導いてくれる

http://www.usanetwork.com/mrrobot

 MR.ROBOTはドラマだ
 2015年 アメリカ 現在シーズン3まで製作されている
 一見すると単なるGEEKあるあるネタのおもしろドラマに見える
 だが違う
 それは罠だ  それは本編を見ないやつが踏む地雷だ
 もちろんMR.ROBOTには本物のGEEKネタが散りばめられている。ストーリーにはTorやDDoSが関わるし、読めるコマンドがたくさん映る。それらには本物のリアリティがある。だがそれだけじゃない
 MR.ROBOTはファイト・クラブ
 アメリカン・サイコ
 タクシー・ドライバーだ
 ぼくが言いたいことが分かるだろう
 こいつは本物だ

 MR.ROBOTについて、いくつかのキーを紹介しよう
 これからの楽しみをSpoilすることなく、見るべきか否かのヒントになるはずだ

  • Don't be Evil(Googleのモットーだ、かつての)
  • コニー・アイランド、錆びついた観覧車、放棄されたアーケードゲーム
  • 巨大企業の支配。ブラックスーツの監視。幻覚、妄想癖、ドラッグ
  • 学生ローン、クレジットカード、安アパート。昇給、上司、服装規定。ハッキング

 ゾクゾクするだろう。
 出てくる登場人物も素晴らしい。気の置けない仲間たちだ。こんな友人が近くにいてくれたらと思わずにはいられない

  • サイコパスA:黒いHoodieを着たGEEK。薄皮一枚ギリギリで社会に留まるセキュリティ・エンジニア
  • サイコパスB:スリーピース・スーツをキメた若きヴァイス・プレジデント
  • サイコパスC:フライトジャケットを着た優しいオヤジ。本当の悪事を知っている

 ピンときただろう。その直感は正しい。すぐに見るべきだ
 どうせきみはAmazon Prime会員だろうから、こいつはフリーで見れる

https://www.amazon.co.jp/dp/B015NZFGNC/

 MR.ROBOTを見た瞬間、ぼくにはコイツについてなにか言う必要があると感じた
 ほとんど義務があると感じた
 なぜなら、つい半年ほど前にぼくが数ヶ月かけて書いたノヴェルと射程がかぶっているからだ
 そしてこの記事に手をつけた
 もちろんぼくはジャップ向けに書いたし、こんなにGEEKに寄せてない。媒体も違う。
 だがヴィジョンは似通っている
 ぼくには作者が何をやりたいのか分かる
 サム・イスマイルというこの男が何が言いたいか、手に取るように分かる
 ぼくはこの作品に腹違いの兄弟のような執着を持っている

 これからMR.ROBOTという作品について解題するつもりはない
 読解を披露するつもりもないし、ストーリーを順繰りに追っていくつもりもない  それはぼくのやり方じゃない
 ぼくは批評家気取りの連中がいい気になって書く長文の代わりに、ノヴェルを書くからだ
 ぼくは作品に対して作品で応答する
 もしかしたらきみの眼に触れることもあるかも知れない
 そのとき、きみはMR.ROBOTに対するぼくの応答を読みとるだろう
 だが今、ぼくの作品はどうでもいい
 MR.ROBOTだ
 この記事はMR.ROBOTに対する純粋な賛辞だ
 批評を見るな
 本編を見ろ

 ぼくが言いたいのは、こいつは本物だってことだ
 ゲーム・オブ・スローンズなんて大衆向けの娯楽ドラマを見て喜んでいる場合じゃない
 そりゃGEEKはファンタジーが好きで、TRPGからの文化的系譜を持っている
 きみもGEEK気取りのインターネット人類なら、ゲースロが好きだと言いたいだろう
 だがそんなのは全部、趣味だ
 本業じゃない
 人生が嫌になったときの逃避先にすぎない
 現実じゃない
 クソみたいにファックされてどうしようもない自分から目を背けるだけ
 見ない振りをし続けるわけにはいかない
 現実を見ろ
 サム・イスマイルは社会に対する一貫したヴィジョンを持っている
 彼のヴィジョンを見るんだ

 正直に言うと、ぼくはまだシーズン1の2話までしか見てない。見てから書かないのは急いで記事を書く必要があると思ったからだし、残りがどうであれこの作品が本物であることは変わらないからだ
 知ってのとおり、ハリウッド流ファッキングライティングスクールのファッキングライティングスキルは本物を偽物にするのが得意だ。こいつも途中から偽物になる可能性はある。正直、そうでない可能性はとても低い。ハリウッドはなにもかもを恋とスリルとショックとサスペンスで台無しにするし、長々と同じ話を続けてぼくたちを馬鹿にする。とりわけいくつものシーズンを続けるドラマはその傾向にある。正直、この題材を連続ドラマという媒体でやるのは気が狂っていると思う。普通に考えれば、映画でやるべきものだ。かなり危ない橋を渡っている。陳腐になりかねない危うさを孕んでいる
 それでもなお、MR.ROBOTが本物であることに変わりはない
 もしMR.ROBOTの続きがファックされてなければ、また書くこともあるだろう
 そのときは記事の続きがある
 だがその前に、君の目でMR.ROBOTを見るべきだ  悪いことは言わない
 これはアドバイス
 MR.ROBOTを見ろ

頭痛

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皆さんは頭痛になったことがおありだろうか
偏頭痛持ちだろうか
低気圧に悩まされているだろうか

ぼくは今まで頭痛になったことがなかった
せいぜい眼の使いすぎでジンジンするくらい
こめかみをグリグリやって疲れたモーと言う
今から考えれば、そんなの頭痛のうちに入らない

ぼくは頭痛というものをなめていた
偏頭痛でつらいという人を見ながら、どうせ大したことないんだろうと思っていた
「なんかズキズキするぅ~」という程度だと思っていた
そうじゃない
頭痛は明確な痛覚だ
リアルな痛みだ
本物の苦痛だ
犬に噛まれて血が出たときと同じように、タンスの角に小指をぶつけたときと同じように、階段から転げ落ちて骨折したときと同じように、頭痛は痛い

ぼくが味わっている頭痛を追体験する簡単な方法がある
腕をたたみ、ファイティングポーズをとり、ステップを刻む
おもむろに自分の頭にむけてジャブを打つ
ストレートを打ち、アッパーを打ち、カウンターを決める
ファイト・クラブ」よろしく自分を殴る
後先考えず思い切り殴る
おすすめは後頭部だ。ぼくの痛みも後頭部にある
みんなもやってみてくれ
苦しみをシェアしよう

痛みが襲ってくるのはだいたい10秒に一回だ
楽なときは20秒ごとだ
ひどいと5秒に一度になる
陳腐な比喩は使いたくない。それは純粋な痛覚だ。熱を持っていて、とても強い
ぼくはどうにか我慢しようと歯を食いしばる
だが声がでてしまう
ウッ!とかアァッ!とかンッ!とか
まるで赤子か知恵遅れのように
胴を丸めて痛みに耐える
惨めに布団の上で縮こまる
過ぎ去り、しばしの安らぎが与えられる
10秒後、再び襲う
その繰り返しだ

いまもぼくの後頭部には痛覚の波が押し寄せている
タイプする指は10秒ごとに中断され、思考は10秒ごとに寸断されてる
処方薬を飲んだが効く気配はない この頭痛は三日前から続いている
偏頭痛持ちの人々の中には、この頭痛が日常であり、もはや慣れてしまったという人もいる
頭痛のあまり目がくらみ、嘔吐することもあるという
考えるだに恐ろしいことだ
絶対にそうはなりたくない
一時的な症状だと信じたい
こんな日常は嫌だ
頼むから薬が効いてくれ
ちゃんと治ると言ってくれ

人生に苦痛は多く、幸福は少なすぎる

身体が、生活が、社会が苦痛を生んでいる

苦痛は確かな基盤を持っている

幸福は弱々しく、吹いたら飛んでしまうほどに軽い

苦痛はあらゆる部分から現れる

我々は苦痛の裡に生まれ、苦痛の裡に死ぬ

幸福の総量が苦痛の総量を上回ることはない

上回ることは〈決して〉ない

助けてくれ

だれか人間を助けてくれ